誰もが生まれてから無意識に行ってきている呼吸。このあたり前に思える呼吸は、まだまだ大きな可能性を秘めた、人間の基本的生命活動です。なぜなら、呼吸には質があるからです。呼吸の質を改善することで、人間は本来の能力や体力、そして感性を十二分に発揮できるようになります。呼吸の停止が死を意味することからもわかるように、呼吸とは人間の存在そのものの根本を左右する生命活動です。その呼吸を改善することは、今まで気付かなかった、見えなかった、大元にある根本の生命の可能性に気付くことを意味するのです。人間の行動も、能力も、才能も、全てはこの１つの根本の生命という次元から枝分かれしたものに過ぎません。その根本を支えているのが、すべての生き物が持つ呼吸という生理機能です。呼吸の改善が、人間としてのすべての可能性の改善を意味している理由が、ここにあります。そして、その呼吸を自らの思いで意識的に行い改善できるのは、すべての生き物の中で人間だけなのです。文明を作り上げてきた人類。そして人類を他の生き物と分けてきた、呼吸を意識的に行い改善できる能力。呼吸への気付きこそが、人間を磨き幸せな世界を作る、最も重要な入り口なのです。

音楽が嫌いだ、という人にあまりお目にかかったことがないほど、音楽は人間生活に溶け込んだものです。そう、音楽はみなさんの楽しみなわけです。でもその裏を返せば、音楽を楽しみだけに終わらせてしまっているのが、私たちの日常ではないでしょうか。音楽は本来楽しみだけではなく、人間生活をより潤滑にする、エネルギーを引き寄せ、そして生み出す生活手段でした。重たいものをみんなで一緒に持ち上げる「せ～～の！」という掛け声で息を合わせること、「ワッショイ、ワッショイ」とリズムに乗って神輿を担ぐこと、優しい子守唄を歌って赤ん坊をあやすこと、苦しい労働を歌を歌って乗り越えること等・・・それらは音楽とリズムの感覚を覚えることで成り立っていた人間の生活の知恵だったのです。それでは何故、音楽にそのような力があるのでしょうか？。音楽の素晴らしいさとは、すべてのものを１つにまとめ、繋ぎ合わせてしまう力・・・・。音楽の演奏を聴く時、聴いている人は自ずと耳を傾けます。そしてもし余裕があったならば周りを見渡してみてください。誰もが皆、自ら自然に、音楽に耳を傾けている光景が見えるはずです。皆が演奏者の音に集中し、そうです、１つになっているのです。素晴らしい音楽には小鳥や動物までもが聞き入ってしまうという、昔話に出てくるお話のように、音楽はすべてのものを１つにする、共通言語だったのです。もしかすると宇宙人とでも、音楽でならばコミュニケーション出来るのかもしれません。音楽は人類の歴史とともに伝えられてきました。人間生命の一番奥深いところに、音楽への感覚が存在しています。アフリカで生まれたとされる人類の始祖「イブ」。そこから枝分かれして、私たちすべての人間は存在しているのです。その大元に音楽はありました。音楽はすべてのものを１つにする力を持っているのです。その力こそ、ハーモニー（調和）の力です。私たちの住むマクロな宇宙からミクロな素粒子まで。大自然はすべて、リズムを刻む振動や周回という運動から成り立っています。自然のエネルギーと人間が１つになる、周りの人や生命と一体になる力。それが音楽の持っているハーモニー（調和）という根源的な力なのです。